あなたはラッキーです。
1回の飲み代に満たない投資で「人生を変えるかもしれない本」に出会ったのですから。
- ブロガー
- ライター
- 販売員
- 営業マン
- すべての「売る人」
あなたはこれらに当てはまっていますか?
でしたら資格は十分です。
記事を最後まで読み進んだら、セールスの新しい世界が目の前に広がるでしょう。
「売る」ための教本
元スポーツ紙記者の中里圭(@keinakazato7777)と申します。
著者のジョセフ・シュガーマンは1971年、世界初の電卓を販売する通販会社JS&A社を設立。
文章を主体とした広告でセールスの実績を積み上げました。
その後、テレビショッピングに転向したシュガーマンは「ブルーブロッカー」ブランドのサングラスの販売を開始。世界で2000万本以上が売れています。
そのセールスの手腕が認められ、1979年には「ダイレクト・マーケティング・マン・オブ・ザ・イヤー」に選出。
1991年には最高峰の「マクスウェル・サックハイム賞」を受賞しました。
12年連続で「自動車販売・世界No.1」となり、ギネスブックに認定されたジョー・ジラードは本書について
「私なら絶対にライバルより先に読みたい」(序文より)
さらにメンタリスト・DaiGo氏はこの本の帯で
「あなたが何かを売る仕事をしているなら、10倍の値段で買って損しない本」
そう言い切っています。
DaiGo氏といえば権力に忖度せず、個人で発信をつづける方です。
私がおすすめするよりも格段に説得力がありますね。
30の「心理的トリガー」
シュガーマンは人間がモノを買うにいたる心理的トリガー(引き金)を30項目にまとめています。それらは、おもに活字媒体の広告で培われたものでした。
本書ではその法則を「人的販売(対面販売)」にも応用し、成果が出せることを豊富な具体例を示して解説しています。
その30のトリガーを要約しました。
必ずあなたのセールスに役立つはずです。
①一貫性の原理
「ついで買い」につながる法則。
人間はいちど買うと決めたら、その意思にしたがって「もっと買う気」になる。
そのためには、最初の購買決定のハードルを「できる限り低くしてあげる」ことが大切。
初めから複雑なモノを買わせようとしてはいけない。
例・・・コンビニのレジ横のお菓子、クルマのオプション(ボディーコーティング等)
②適切なアピールポイント
- まず、売ろうとする商品の「特性」を知る
- お客がその商品のどの部分に「必要性」を感じるのか?
- 商品の特性とお客の接点を見つけたら、そこをセールスポイントとして前面に打ち出す
やみくもに恐怖心を煽っても商品は売れない。
お客が必要性を感じるタイミングはまちまち。
「その時」のために種をまき続ける必要がある。
③顧客の特徴
お客をよく知ること。
お客と対話し、お客のことをよく知る人にも話を聴く。
そしてお客が欲しがる理由「感情的ニーズ」をつかむ。
あなたの商品はその「感情」を満たすだろうか。
感情・・・モテたい、痩せたい、お金持ちになりたいetc.あらゆる「欲求」
④欠点の告知
お客を騙せるなんて思わないほうがいい。
お客はあなたが考える以上に鋭い。
その商品に明らかな「欠点」があるのならば「真っ先に」取り上げよう。
欠陥を最初に示せば、お客は警戒心を解いてくれる。
⑤抵抗感の克服
早い段階で商品の「欠点」を取り上げたら、次はその抵抗感を「克服」する必要がある。
ただ説得するだけではダメ。
まずお客の抵抗感をできる限り想定して、それに対する解決策を考えておく。
一般的に「欠点」とされることも、表現や考え方次第では「取るに足らないこと」に変えることができる。
「ピンチをチャンスに」転ずれば、お客からの信頼はそれ以前よりも増すだろう。
適切な欠点を想定するには「消費者感覚」がものをいう。
⑥巻き込みとオーナーシップ
「巻き込み(インボルブメント・デバイス)」と「オーナーシップ(所有)」はいずれもお客の「想像力」を働かせて「自分ごと」と感じてもらうアプローチ。
通販ではお客が「すでに商品を使っている」または「所有している」と想像するような表現が効果的。
対面販売では実際に商品を体験してもらい「未来の自分」を想像してもらう。
※インボルブメント・デバイスについては、記事の後半でさらに詳しく解説しています。
⑦誠実さ
誠実さとは「言行一致」していること。
あなたの「考え」「言葉」「行動」に矛盾はないだろうか?
「誠実さに欠ける」と少しでもお客が感じれば、商品を買う可能性は下がる。
決して「嘘をつかない」こと。
⑧物語・ストーリー
人はみなストーリー(物語)が好きだ。ストーリーを販売に上手く取り入れれば、お客の興味を引き、購買を後押ししてくれる。
退屈なセールストークより、魅力的なストーリーを。
⑨権威
お客は専門知識のある「権威者」から買いたいと考えている。
あなたにまだ、これといった「権威」がなければ探そう。どんなものでもいい。
人々は権威に弱いものだ。
⑩お買い得感
人は買い物をする際、つねに「お得な値段で買っているだろうか」と気にしている。
お買い得感を訴えるには、他の商品との「比較」が有効。
その際にも、どの順番で商品を提示するのか、よく考える必要がある。
⑪感覚
「人は感覚で買い、理屈で納得(正当化)する」
いくらデータを並べて説得しようとも、それで購買意欲が高まるとは限らない。
言葉一つひとつが持つ「感覚」にも気を配る必要がある。
感覚で買う気にさせ、理屈で納得させるのだ。
⑫理屈による正当化
お客が「買いたい」と考えても、それを後押しする「理屈」がないと不十分だ。
なぜ買うべきかの論理的理由を技術的優位性、節約、効率性などの特徴を挙げ、正当化してあげることが大切。
⑬強欲
世界で商売というものが始まって以来、人を説得するために利用されてきた基本的な感覚的要素が「強欲」
商品を割安に感じさせ、価格以上の価値を感じさせれば物は売れる。
⑭信頼性・信憑性
「信頼ある人、会社から買いたい」誰もがそう考えている。
あなたの言動は客に「信頼感」を与えるだろうか。
扱う商品、セールスを展開する「環境」なども信頼を左右する。
信頼感を与えるために、ときには「専門用語」を使うことも必要だ。
⑮満足の確約
「お試し期間」は効果的なセールス方法だが、もっと反応を上げる方法がある。
お客に対する保証をさらに強力にした「満足の確約」だ。
お客が「おいおい、そこまで言って大丈夫か?」と心配するほどの保証を付ける。
セールスに情熱と強い「自信」を示すことで、客の購買を促そう。
⑯リンキング
お客が知っていることを、あなたの商品と「関連」づけてセールスする手法。
「流行」と関連づけるのが分かりやすい。
なじみのある事柄と結びつければ、客は自分との接点を見つけやすくなる。
⑰帰属欲求
※当記事後半にて紹介しています。
⑱収集欲求
同じような商品をいくつも集めたいという感覚的ニーズを持った、非常に大きな市場が存在する。
①の一貫性の原理にも通じる「収集欲求」が人にはある。
これは見逃されがちだ。
あなたの商品を買ったお客が、同じような商品を買う可能性が十分にあることを認識しよう。
⑲切迫感
見込み客はいちど買うのを先送りすると、まず買うことはない。
「切迫感」を与えて買う理由を作ってあげる必要がある。
しかし「もうすぐ品切れになる」などの見え透いた嘘は禁物。
あなたの商品を「いま」買った方がいい理由を考えよう。
⑳限定
自分以外にはわずかな人しか持っていないものを所有する・・・
この心理は購買の強いトリガーとなる。
あなたの売る商品が「限られたもの」であるならば、それをセールスに活かさない手はない。
㉑単純明快さ
「シンプル・イズ・ベスト」
お客に与える選択肢はできる限りシンプルにする。
言いかえれば「お客の代わりに選んであげる」こと。購入のプロセスも同様だ。
複雑な説明、提案で売上が伸びることはない。
㉒罪悪感
「返報性の法則」とも呼ばれる。
人は何かを与えられると「お返ししなければ」という罪悪感を感じるもの。
その心理はビジネスに多く利用されている。
スーパーの試食などが好例。
恩着せがましくなり過ぎないような「ギブ」を考えよう。
㉓具体性
セールストークには「具体性」を持たせることが大切。
「この商品は多くの方に支持いただいています」
「この商品を使った93%の方が『満足した』と回答しています」
後者のほうが格段に説得力がある。
また、具体的に語ることはあなたの「信頼性」「権威性」を上げることにもなる。
㉔親近感
人は「なじみのある環境、モノ、ヒト」を無意識に信頼する傾向がある。
機能は同じでも無名の商品より有名ブランドを、初めて会うセールスマンよりも顔なじみのあなたから買いたがる。
「単純接触効果」とも呼ばれる。
「くり返し目に触れさせる」ことは大切。
㉕パターンニング
セールストークによく使われる手法。
「きょうはいい天気ですね」
「そうだね」
「お客様のクルマ、そろそろ車検ですよね」
「うん」
お客に「否定する言葉」を使わせず、肯定的な会話を持続させ、成約までもっていく。
セールスには相手との「調和」が重要だ。
㉖期待感
人は「期待感」でものを買う。
手に入れた先の「未来」を想像するのだ。
あなたの商品がもたらす期待感は、どんなものだろう?
そこをうまく刺激できれば、強力な「買う動機づけ」となる。
㉗好奇心
セールスでは興味を引き、好奇心を持続させる。
通販ではすべてを語ってしまうと、好奇心が失われ、商品が売れないこともある。
対面販売においても「好奇心の種」をまきつつ、結末を後にもってくるセールス・トークができれば、お客は最後まで熱心に話を聴いてくれるだろう。
㉘市場とのマッチング
あなたの商品は「市場にマッチ」しているだろうか?
いくらいい商品でも「時代の流れ」に合っていなければ売れない。
いまのお客が何を求めているのか。
市場を分析する「鋭い眼」を持ちたいものだ。
㉙考えさせる力
分かりやすいセールス・トークは大切だ。
しかし、一から十まですべてを語るのがいいとは限らない。
お客に「考える」余地を与えて「脳」を使わせることで、購買につながりやすくなることもある。
㉚正直さ
「広告は伝えたいと思ったことを伝えてくれるが、隠したつもりのことも伝えてしまう」
「私が正直であればあるほど、お客はそれに応えてくれた」
シュガーマンが「もっとも強力」だと語る心理的トリガーです。
あなたの言っていることはすべて本当か、確認してみましょう。
インボルブメント・デバイスって?
この言葉は心理的トリガー6「巻き込みとオーナーシップ」に登場します。
- インボルブメント=巻き込み
- デバイス=仕掛け
見込み客を巻き込んで「想像」または「体験」させることで、客は商品を手に入れた感覚となり、自然な形で購入にいたるというのです。
シュガーマンはこの手法を使い、驚くべき方法で客を巻き込み、英語のスペルを正す電子辞書を売りさばきました。
素晴らしい思いつきでした。
どのようにしたのか?
これはのちほどお伝えしようと思います。
そしてもうひとつ。
人を巻き込む言葉の力
本書でシュガーマンはある逸話を語り、インボルブメント・デバイスが人間の本能に働きかけるものだと解説しています。
すこし長くなりますが引用しましょう。
私の娘のジルが4歳だったときに取った行動から、人は本当にセールスメッセージにつられることがあるのだなと実感したことがある。
『ピーナッツ・バレンタインデー』というテレビ番組をジルと7歳の姉エイプリルが見ていた。
それをそばで見ていた妻から聞いた非常に興味深い話だ。
主人公チャーリー・ブラウンがクラスのみんなにバレンタイン・カードを配りながら、渡す相手の名前を1人ひとり読み上げていた。
「サラ、メアリー、サリー・・・ジル。ジルはどこ?」
とチャーリー・ブラウンが言った。すると、娘はさっと手を挙げ、
「ここよ!」
と返事をしたのだ。彼女は番組に夢中になり過ぎて、自分もその一員なりきってしまったのだ。
インボルブメント・デバイスの有効性が如実にあらわれているエピソードですね。
人はなぜベンツに乗りたがる?
この謎はトリガー17「帰属欲求」で明らかにされています。
人が特定の商品やブランドを買うのには、ブランドをすでに所有している人たちの仲間入りをしたいという強い心理的理由がある。
商品の所有者グループを見てそのブランドに共感する人々がいる。
たしかに・・・と頷かされます。
そしてシュガーマンはあなたの「商品の特性」と客の「傾向」の接点を見つけることで、有効な「見込み客リスト」を作成できるだろうとしています。
きっとあなたも、この記事を読んで「売れる人のグループ」に属したいと感じたことでしょう。
1600円で人生が変わる
全30トリガーを要約しました。
しかし私の要約は完璧ではありません。
あなたなりの解釈もきっとあるでしょう。あとはご自身で本書を手に入れ、活用する以外にありません。
出合った今がチャンスです。
もう一度いいます。
わずか1600円(税別)で30におよぶ「購入にいたる客の心理的要因」を知ることができるのですから。
最後に
お約束した電子辞書のお話をしましょう。
それは「フランクリン・スペリング・コンピュータ」という商品でした。
価格が高いと感じたシュガーマンは「インボルブメント・デバイス」を使って値段を下げようとしました。
書かれた広告文には、スペルミスがいくつか用意されました。
そのミススペルに気づいた人は、広告に〇をつけて返送します。
その正解ひとつにつき、2ドルの割引をしようというのです。
注文が殺到
完全に「巻き込まれた」読者は、こぞってスペルミスを探しました。
買う気すらないのに、1時間半にわたって広告とにらめっこした友人もいたといいます。
その結果、電子辞書は 予想以上に 売れました。
そして、本当にこの電子辞書が必要な人(少ししかミスを見つけられなかった人)は、適正な価格でこのコンピュータを手に入れることになりました。
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