「ザ・コピーライティング」を買うべきかどうか迷っていますか?
本書の価格は3200円(税別)。平均的なビジネス書の1.5~2倍と少しお高めです。
また、装丁は左開き(左に向かってページをめくる)で、文章は横書き。翻訳本にありがちな装丁とはいえ、これがまた読みにくい!
しかも431ページとボリュームがあるため、本書の重さは約640g。そこそこ腕に負担がかかります。
さらに翻訳本の性質上、どうしても原著が日本語の文章のように、スッキリとはいきません。
とはいえ、本書を購入して手元に置いておく価値は十分にあります。
その理由は大きく3つ。
しかしその理由を説明する前に「ザ・コピーライティング 心の琴線にふれる言葉の法則」の内容をご紹介しておきましょう。
買うべき理由だけを知りたい方は下の「目次」から飛んでくださいね。
「ザ・コピーライティング」内容
中里圭(@keinakazato7777)ともうします。
現在はフツーの会社員ですが一時期、スポーツ紙の記者として働いていました。
「ザ・コピーライティング」は全18章で構成されており、いまや”伝説のバイブル”と呼ばれています。
- これが新しい広告戦略だ
- 広告は見出しが命
- どんな見出しが1番注目されるか
- 効く見出しはこう書く
- 35の見出しの型・効果は検証済み
- どんぴしゃりの訴求ポイントを見つけるには?
- 「テスト済み広告」と「テストしない広告」
- 熱意を込めてコピーを書く方法
- コピーの出だしはこう書く
- 効くコピーはこう書く
- コピーの売込み効果を高める20の方法
- 誰もがぶつかる問題を避ける方法
- こうすればもっと問合せが増える32の方法
- 最大数のお客にアピールする方法
- どんなレイアウトとビジュアルが1番注目されるか
- 小スペース広告で利益を上げる方法
- 頭の体操ー成功した見出しはどっち?
- 広告をテストする17の方法
本書の内容は「効く広告の作り方」全般に及びます。
そして、登場する広告はいずれも効果が検証された「実例」です。
著者のジョン・ケープルズはアメリカの広告代理店(BBDO社)で1920年代から、50年以上にわたり仕事をしました。
テストを繰り返し、効果を検証する「科学的広告」の促進に情熱を燃やし、1978年にはその功績を称えて「ジョン・ケープルズ・インターナショナル賞」が設立されています。
本書に登場する広告の実例は当時の新聞、雑誌に掲載されたものが中心。
現在の日本のマーケティング環境とは異なります。
しかしケープルズは通販広告を重視しました。通販広告と現在のウェブ中心の広告。その狙いや手法はおおいに共通点があります。
「広告をテストせよ」
ケープルズはまず第1章で「広告をテストする重要性」を訴えています。
彼が本書を通じて最も伝えたかったことでしょう。
では、広告をテストする目的とは何か?
ケープルズは本書の冒頭で、以下の4点を知るために広告テストが必要だと述べています。
- どんな見出しが1番たくさんの人を引きつけるか?
- どんなビジュアルが1番注目を集めるか?
- どんな訴求ポイントで商品が1番よく売れるか?
- どんなコピーが自社製品やサービスを売り込むのに1番効果的か?
もちろん、これらは広告を打つ側からすれば最も知りたいことです。この4点が分かっていれば、効果絶大な広告をいくらでも打つことができます。
しかし現実には、広告テストを行うにはそれなりの投資が必要。ましてや、個人が行うのはとても難しいことです。
本書では「広告テストの方法」についても具体的に述べられています。しかし私たち読者は本書を読むことで、すでに検証済みの広告を知ることができます。
そしてその「型」を利用して、自分の広告に応用することができるのです。
「広告は見出しが命」
「ザ・コピーライティング」は全18章のうち「見出し(タイトル)」について4章が割かれています。
見出しについてケープルズは次のように語っています。
4章を割いても多すぎることはない。
それくらい見出しは肝心なテーマなのだ。
ビジュアルがどれほど目立っていようが、ほとんどの広告では見出しが決定的に重要だからだ。
ほとんどの人が、見出しだけを見て、関心があるかどうかを判断している。
本記事を読んでくださっているあなたは、どんな方ですか?
本業として広告業を目指している、またはすでに働いている方だろうか。もしくは個人でウェブ・ライターもしくはブログを書いている方かもしれませんね。
いずれにしても「見出し(タイトル)の重要性」はすでにご存じだと思います。本書には実際にテストされ、効果のあった見出しが数多く登場します。
もちろん「失敗例」も。
また、現代にも応用できる見出しの「35の型」も知ることができます。あまりにも具体例が多すぎて、紹介しきれません。
「売れる見出し」3パターン
ケープルズによると、効果的な見出しの多くは次の「3パターン」に当てはまるといいます。
- ベネフィット(得になること)
- 新情報
- 好奇心
もちろん、これらがすべてではありません。
しかし「人を引きつける見出し」には、たしかにパターンが存在するようです。
成功した見出しはどっち?
本書が「広告の教科書」だとすると、後半の第17章には「復習テスト」が登場します。
全10問に対して、それぞれ2パターンのうち「成功した見出し」と「失敗した見出し」を当てよ、というものです。
そのうちの1問を引用しましょう。
あなたは1、2どちらの見出しが正解だと思いますか?育毛剤の広告案です。
- 「60日前までは私が『ハゲ』と呼ばれていました」(写真では男性が別の男性のハゲ頭を指さしている。コピーはこの育毛剤でめざましい効果があった男性の話)
- 「30日以内に髪が生えてこなければ、この小切手を差し上げます」(写真は小切手を差し出している育毛専門家。コピーではこの育毛剤の効果に満足できない場合、小切手で返金すると説明している)
ちなみに私は10問中7問正解でした。
この問題の答えはぜひ本書を手に取ってご確認ください・・・
「ザ・コピーライティング」を買うべき3つの理由
これまで述べたとおり、本書の内容は素晴らしいものです。
しかし、その「価格」はビジネス書2冊分。
そして購入した私自身、正直「ちょっと読みにくいなぁ・・・」と感じました(あくまで個人的感想です)。
それでも本書は得られるメリットの方が、デメリットを上回ります。理由は以下の3点です。
①現代のネット広告にも有効
本書に掲載されている実例は、1900年代のアメリカの広告です。そう聞いて「情報が古くて、現代には通用しないのでは・・・」と考えるかもしれません。
しかし人間の欲求、興味のメカニズムはそう変わるものではありません。
本書を実際に読んで感じたのは「現代でも十分、使える内容」だということ。変化したのは媒体(紙からネットへ)だけです。
②豊富な「検証済み」の実例
くり返しになりますが
「広告をテストする」
その大切さは理解しても、実際に検証するには莫大な時間、労力、広告費が必要です。
しかし私たちは、本書を3200円で買うことによって、その貴重なデータを手にすることができます。
その実例を真似るもよし、応用するもよし。使い方はあなた次第です。
③「困難」を超えて読むだけで一歩リード!
そしてもうひとつ。
「ザ・コピーライティング」の価格面、物理的・感覚的な「読みにくさ」を乗り越えれば、それだけでライバルに差をつけることになります。
この「読破障壁」の高さは、言いかえれば読む人が少なくなるということ。
そうなれば、あなたにはライバルよりも「一歩深い知識」が身につきます。
その知識を実践に活かして「成果」を上げていきましょう。
ベネフィットをあなたに
ここまでお読みいただきありがとうございます。最後に、本書を読んで私があらためて大切だと感じたことをお話しします。
それは「ベネフィット」です。
ベネフィットとは商品、サービスを購入した人が感じるプラス面の「変化」。
ケープルズも本書において「ベネフィット訴求の重要性」を再三述べています。
広告を読んだ読者に、その商品、サービスを購入することによる「将来の自分の変化」を想像させる・・・
この記事も、あなたの「ベネフィット」を意識して書いたつもりですが、いかがだったでしょうか(笑)
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